英会話に文法はいらない

日本では英語の文法を基本に教えます。しかし、英語でも日本語でも文法が基本ではありません。母語の場合に日本語でも英語でも正しい表現を使うことができます。これは子供だからできるのではなく、言語は多くの使われている表現を覚えるだけで正しい表現が使えるようになるからです。

英文法は言語のルールではありません。

1.英語(言語)の起源と進化

「ヒトの言語はどのようにして生まれたでしょうか」。この問いは進化論が生まれた19世紀より存在しました。しかし近年、言語学、心理学、脳科学、生物学などの発展に伴い、多くの研究者がこの難問に挑み、言語進化論という一つの学際的な分野を形成しています。

ヒトの言語も、もともとは動物の鳴き声のようなもので、それが複雑化して現在のような形になったということが考えられます。

言語がこのように進化したとなれば、言語の基本は音声です。そして動物の鳴き声が複雑化しただけですから、文法のようなルールとか音素が基本とはなりません。

言語音は複雑ではありますが、連続的に変化する音のストリームに過ぎません。文法は多くの表現を覚えた後に発見されたに過ぎません。

そのような言語を学ぶためには達人(ネイティブ)を真似て、フィードバックで矯正と修正をして覚える以外に方法はありません。全ての母語はネイティブを真似て習得しています。脳は一生成長する器官ですから、言語の習得方法は子供も大人も、臨界期の前も後も、母語でも第二言語でも同じです。

 

言語本能説の内部では、一方で、言語が文化的にではなく、生物学的に進化したものであるという点については合意があります。

 

一般に適応プロセスは何万もの世代の交代を通じてゆっくり進むことが知られています。

言語が自然選択によって漸進的に進化したと考える立場は「漸進説」と呼ばれています。

 

コネクショニズム(connectionism)とは、人工知能研究においてニューラルネットワークモデルに基づいた知能体を実現・実装する立場のこと。あるいは認知科学・心理学において、同モデルでのシミュレーションなどの研究手法によって人間の認知や行動をモデル化しようとしています。

2.言語とは

世界的に有名な認知学者のピンカー博士はこう言っています。

言語は次のものではない。

・文字言語

・正規の文法

・思考

言語の起源は類猿人の鳴き声が複雑化してものであり、文法や音素を基盤とした体系化されたものではありません。複雑ではありますが、動物が自然に作った音に過ぎません。

言語とは人間の脳が長い年月をかけ作り上げたものであり、その複雑な言語を脳は実際にネイティブを真似て経験する事で学習できものです。

ピンカー博士は文字言語とか文法は人間が後から作りあげたものであり言語とは違うものになっていると言っています。

言語とは基本的には音声の言語を意味します。文字言語は音声言語をルール化して記号化したものです。

3.文法は文字言語のルール

日本語の文法では、次のように説明しています。

 

日本語文法とは:

文法は、文章を書く時のルール・決まりのことです。日本語の書き方の決まりを理解することで、読み手にとってわかりやすい文章を書くことにつながります。

 

つまり英語文法も、言葉のルールですが書く時のルールとなっています。書く時と定義されているのは、話す時には必ずしもその制約を守らない場合が多いからです。

文字英語に必要なのが文法であり、音声言語の基本ではありません。

言葉には意味があり、文法はその多くが意味と形式から文法が認識されますから、意味を理解する事自体が文法情報の一部を担っています。

 

すると、その文法を抽出して意識的に学ばなくても、意味と形式を結びつけることにより、並列分散的処理によって、パターンが脳内において無意識のうちに記憶され、習得されます。

 

つまり文法とは形だけで判断できません。その使われ方から意味を理解する必要があります。

すると大事な事は英語の音声で言えばその音の流れとその意味を覚える事で、言葉が習得できることになります。

英語の基本は文法ではありませんから、その文法を先に学ぶのは効果的な学習ではありません。

 

4.口語と文語

日本語では特に口語と文語は違っていました。日本では最初は漢文で書かれ、その後はカタカタが使われ、その後に現在のような日本語になっています。

平仮名も最初は女性が使う事が多く、男性や公式な文章では漢字を主体にカタカナが使われています。

仮名にしても現在のような50音としたのは明治の後半の事です。それまでは200近くの仮名が使われていました。つまり発音も多様性がありました。

言語の基本は音声ですが、その音声の言語を文字化することはいろいろな問題が発生しております。その最大の理由が音声には規則的な音素(発音記号)が並んでおりません。

その連続的に変化する音のストリームを文字化するためには多くの決まり事が必用になります。

日本語の話し言葉と書き言葉が同じようになったのは明治の言文一致運動以降の事です。それまでは文字日本語と音声日本語はかなり違っていました。

文字言語と音声言語が同じように扱われるようになり、文字言語のルールも音声言語で取り入れられる事が多くなりました。

5.文法には例外が多い

英語は最初に文法のルールを決めてから進化したわけではありません。実際に使われている英語の中から「共通に思えるパターン」を取り出して体系化したものが「英文法」なわけですから、例外事項が存在するのはある意味必然的だと言えます。

 

しかし、言語の学習において「例外」は一般的には嫌われる傾向にあります。学習者の立場からすれば、例外の数は多ければ多いほど大変だと感じるでしょうし、教える立場からも、この例外はどうやって教えたらいいのか  そういう例外が存在するのに何か理由があるのか  など、いろいろと調べなくてはなりません。

There are two persons of interest under investigation for the murder.

2人の被疑者が殺人容疑で取り調べ中である。

Every year, over a hundred new missing persons cases are reported in this city.

個の詞では、毎年100人以上の新しい失踪者のケースが報告されています。

 

Can I have two beers.(beers、coffees、teas もOK )

There are a lot of fishes in the river.(いろいろな種類の魚)

 

複数形は使わないと言われてもbeers、 beers、coffees、teas、fishesのような使われ方もあります。

 

以下、文法では複数形はないと言うPersonsを使った例文をご紹介します。

There are two persons of interest under investigation for the murder.

2人の被疑者が殺人容疑で取り調べ中である。

 

Every year, over a hundred new missing persons cases are reported in this city.

個の詞では、毎年100人以上の新しい失踪者のケースが報告されています。

 

お手本

Can I have two glasses of beer.

(ビールを2杯もらえますか )

beer、coffee、tea のような液体は「不可算名詞=数えられない名詞」なので、a glass of ~(コップ1杯の~)、two glasses of ~(コップ2杯の~)のように数えると学校では習いましたが、実際の会話では、beers、coffees、teas もOKです。

普段の会話

Can I have two beers.

なお、fish(魚)やsheep(ヒツジ)のような名詞は単複同形で、fishes、sheeps とは言わない、と学校では習うのですが、実際には「いろいろな種類」を指すときには s/es をつけて There are a lot of fishes in the river.(この川にはたくさんの<種類の>魚がいる)のように表現します。

 

お手本

If I were rich, I would travel around the world.

(もし私が金持ちだったら、世界中を旅行するだろう) 

これは、「仮定法過去」と呼ばれる、「現在の事実に反することを述べる文」で、「If+主語+動詞の過去形, 主語+助動詞+動詞の原形」という文法事項とともに「主語の後のbe動詞は were を使う」という決まりで習ったことがあると思います。

 

しかし、普段I には過去形 was を使うのに、仮定法のときだけ were とするのは面倒。そこで、普段の会話ではこんなふうに話すことができます。

 

お手本

If I were rich, I would travel around the world.

普段の会話

If I was rich, I would travel around the world.

 

会話ではwasで使われる事多くなります。

 

過去になかったことを話す(仮定法過去完了)

お手本

If I had not come, what would have happened

(もし私が来なかったら、何が起こっていただろう )

これは「仮定法過去完了」という、「過去の事実に反すること」を述べるもの。「If+主語+過去完了, 主語+助動詞+have+動詞の過去分詞」という、とても複雑に見える文です。ですが会話では、Ifの後の過去完了は過去形でも大丈夫です。

また、If ~, what …  は What if と省略することができます。

普段の会話

What if I didn’t come

例外を生かしてラクに話そう

海外ドラマの会話や英語の歌の歌詞を聞いていて、「習った英語と違う」と思ったことはないでしょうか。口語の世界には、いろいろな例外があるのです。

If I had not come, what would have happened

What if I didn’t come, what would have happened

お手本

I will go to see him.

(私は彼に会いに行きます)

動詞の後に動詞を続けるときはto不定詞にする。というのが英語の決まり。でも、go+seeの場合、例外的にこんな言い方をすることができます。

普段の会話

I’ll go see him.

これは文法的に間違っているというわけではなく、 go と come だけは習慣的に、 go get it(それを取りに行く)、come visit me(私を訪ねてきて)のような言い方をすることができます。このほか、go and see と and でつなぐこともあります。

You go home.

You go to the station.

in the evening

in the morning

at night

I had a lunch today.は通常使いません。日常会話で使うことはありません。

lunchにaをつけた場合、通常 a+形容詞+lunchとなります。

正   I had a good lunch.

誤    I had a lunch. です!

このように慣習的に使われるのが冠詞です。それがどうしてなのかは特別なルールはありません。

6.なぜ例外が多いか

このように英語はルールを基本としていないために多くの例外があります。表現が使われるのは文法に準じているかどうかではなく、多くの人が使うかどうかで決まります。

つまり言語は自然淘汰で作られたものであり、その選択はルールによるものではありません。使う人の数で決まります。しかし、統計的な類似性は存在しており、それが文法と呼ばれています。

人間の脳はルールによる学習が不得手です。例えば掛け算九十九は単純なルールによる、加算または掛け算でもルールで計算せずに、丸覚えをします。その方が脳の負担が少ないのです。何度も練習をして、忘れないように覚える方は処理が速いからです。

7.英国の英語文法の編纂

1762年にロバート・ラウスの”英文法への手引き” を書きました。そして1794年にリンドレー・マーレイ  による”英文法”を出版しています。

文法の目的は言語の標準化であり、ルールではありません。18世紀の英国では英国の世界進出によって、ますます外来語の流入がさかんになり、それによって母国語が汚染され、腐敗するのではという危機感が文学者たちの間で高まってきました。その標準化のために作られたのが英語文法です。

英語のルールと言う意味ではありません。

その標準化のための文法を日本では文法を英語の基本として教えています。実は蘭学の時代から外国語の訳読が主流でした。つまり漢文ように一語一訳で、言語構造から文法的に解釈する事が主体となりました。その結果、文法を基本に教える事が基本となってしまいあした。

翻訳システムでは文法解析から始まっています。初期の翻訳ソフトは文法解析でした。言語を分解して訳して、その言語の文法に沿って並べる方法でした。

翻訳システムのパラダイム・シフトが2010年くらいから始まりました。つまり文法解析の手法に関する反省が始まったのです。文法解析による翻訳精度が低いのは、ハードや辞書の問題ではない、翻訳の基本的なシステムが間違っているのではないか思い始めたのです。

8.AIの統計的機械翻訳

現在の人工知能を使う翻訳システムは多くの対訳事例をデータベースに持つパターンマッチングです。ディープラーニングで学習をさせます。

2010年頃までは文法解析の翻訳システムでした。事例基盤のパターンマッチングになってからはディープラーニングでどんどん精度が向上しています。

脳内における翻訳も事例基盤でするのがより効果的な翻訳方法です。

日本の英会話学習の改革

シニア英会話は日本の英会話の改革を目指しています。まずここで非常に効果的である事を証明します。

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