音声学の間違い

人間の言語の基本は音声です。文字言語は文明の発達や現代人の日常生活に不可欠ですが、諸民族の歴史からも、幼児の言語修得からも、音声言語が文字言語に先行しており、言語のより基本的なものであることが分かります。

この音声はその発音・伝播・聴取の3つの面から見ることができます。それに応じて、音声学も調音音声学(articulatoryphonetics)、音響音声学(acousticphonetics)、聴覚音声学(auditoryphonetics)の三部門に分かます。

 

調音音声学(articulatoryphonetics):言語音を発する側に関する音声学

聴覚音声学(auditoryphonetics):言語音を聞き取る側に関する音声学

音響音声学(acousticphonetics):言語音を発する側と聞き取る側の間に関する音声学

1.調音音声学

調音音声学は、さまざまな音声器官を用いて言語音がどのように作り出されるかを記述します。これは観察が比較的容易であることから最も早く発達しました。

一般的に音声学と呼ばれているのはこの調音音声学です。

フォニックスも音素のような音の最小単位の音を基本としていますから、調音音声学と考えは同じです。

音の最小単位を基本としながら音声学とフォニックスが違うのは、音声は連続的に変化する音のストリームですから、最小単位をどう考えるかで違ってきます。

 

英語の発音に関する本はすべてこの調音音声学の分野の本です。特に古代インドの音声学は素晴らしいものでした。この影響は中国を経て日本に伝わり、五十音図となりました。

現代の音声学は19世紀末に学問分野として確立されましたが、実際には調音音声学でした。

国際音声字母(IPA)も基本的には調音音声学に基づいています。調音音声学の概念の多くは、言語学において常識とみなされておりました。

音響音声学は、空気の振動、すなわち物理現象としての音声が、どのような性質を持っているかを研究します。

1990年代以降はパーソナルコンピュータ上で音声を録音・再生・編集・保存し、音声分析を行うことが容易になったため、文系の言語研究者にもより身近な分野となっています。ただし、音響音声学をきちんと理解するには、物理学や数学的基礎が必要となります。

聴覚音声学は、音声言語の聴取・認識・理解の側面を見る。この分野は観察や測定が困難であることなどから、近年まで比較的立ち遅れており、未知の部分が多い。今後は心理学との連携のもと、脳科学の発展にともない、長足の進歩を遂げることが期待されます。

2.音素は実在しない

調音音声学では、調音つまり音の作り方に基づく言語音の分類を行います。

まず、言語音は子音と母音に大別されます。音声を子音と母音に分ける音素を基礎して主に音の調音方法を記述します。

 

子音(consonant)

口腔内で呼気の流れがある程度妨げられて発せれられる言語音

母音(vowel)

口腔内で呼気の流れがあまり妨げられないで発せれられる言語音

 

子音は、調音点(pointofarticulation)、および、調音法(mannerofarticulation)に基づいて分類することができます。

 

調音点

調音点(pointofarticulation)は、肺から唇までの発声器官(phoneticorgan)の中で、音の区別に大きく係る部分を指します。

音声に子音と母音があるのは事実です。しかし、音声の時間軸に規則正しく同格で音素が並んでいる訳ではありません。

例えばKAと言う音は日本の「か」の音になります。調音音声学ではKと子音と母音がAが同格で並んでいると考えています。

「か」の音を発音してもらえば分かりますが、子音も母音も同時に発音されています。子音の後に母音がくる訳ではありません。

音声学では母音と子音を区別するために同格で並んでいると捉えます。すると「KI」の音はKとIの2つに分解できます。するとそのKの音はKAの場合もKIの場合も同じ子音だと説明が可能になります。

しかしKAもKIも子音と母音は同時に発音されていますから、Kの子音は同じではなく、KAもKIも別々に学ぶ必要があります。

音声学では概念の音としてKAとKIの子音も母音も分解して、他の子音や母音と同じだと考えています。

3.音素は錯覚

日本語では犬はワンワンと鳴き、英語ではバウワウと鳴きます。同じ犬ですから、まったく鳴き方は同じです。

しかし、我々には間違いなくワンワンと聞こえます。英語文化圏ではバウワウと聞こえるのでしょう。それは学習した錯覚です。

ワンワンと学習したから、教えられたからそのように聞こえるだけです。本当に犬の鳴き声を真似るならワンワンでバウワウでも不自然になります。犬の鳴き声を聞いて真似るのが最善です。

英語のCATには3つの音素が並んでいるように聞こえます。しかし、現実的には連続手に音が変化しているだけです。どこにも3つの音の境界はありません。音素が聞こえるのは学習した錯覚です。

 

正しい発音をするなら、その錯覚の音素を調音しては不自然な発音になります。音声には規則正しい音素はならでおりません。連続的変化する音のストリームです。

その音の発音をするなら、錯覚の音素を並べるのではなく、ネイティブを真似て、フィードバックで矯正する以外に方法はありません。

4.音の変化のルールはない

音声学には音の変化のルールがあります。しかし、音素は音の最小単位ですからその音が変わると言うのは不思議な話しです。

化学元素はどんな反応があってもその元素はそのままです。しかし、英語の音素はどんどん変わってしまいます。

音が繋がると言うのは急に繋がるのではありません。言語音は最初から繋がっています。英語のThank you.は最初からカタカタで言えばサンキューです。Thankとyouが繋がったのではありません。

サンキューを英語で書くとThank you.になるだけです。書く時には単語を離す事になっているからです。

音声学ではThankの音とyouの音が存在すると言うので、サンキューの場合には説明のしようがありません。そこで音が繋がると説明しています。

音の脱落もそうです。言語音は最初から連続的に変化する音のストリームです。必要な音は全部並んでいます。全ての音素が正確に並んでいる訳ではありません。

I don’t know.の場合にtの音を発音する必要はりません。しかし、米国英語ではtの音を声門閉鎖で代用する事が多くなります。

声門閉鎖とは無音の音です。上記のtの場合に声門を閉鎖して音を止めます。そのtの時間だけ経過しますからtの音が完全に脱落したのではありません。

音を止めて無音の音で代用しただけです。音は聞こえませんが時間は経過しています。この場合もtの音が無いと困るので、脱落したと説明しています。

言語の発音は表現全体で認識しますから、単語の音素を確実に調音する必要はなく、表現が認識できれば充分なのです。

音声学では音素が並んでいると説明しているので、音の変化のルールで、音が繋がるとか、音が脱落するとか屁理屈をつけて説明しています。

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